何時間経ったのかわからない
けど、やっと分娩室に入る。

藤「次陣痛来たらいきんで
  いいですからね。」

 『いったぁいハァハァ。』

藤「はい咲さんいきんで!」

 『ンッハァハァ…。』

藤「上手ですよ、頭が見えて
  来ましたよ!」

今回は早いお産になりそう。

藤「はい、もう一回
  いきみましょうね。」

 『ン~!ハァハァ…ンンッ』

藤「はいあとちょっとですよ。」

 『痛いもう無理グスン』

葵「頑張れ咲。あとちょっと
  だからな。」

藤「はい、次で生まれますよ。
  はい、いきんで!」

 『ンンッ!ハァハァ。』

赤「オギャーオギャー。」

7月31日この日2961グラムの
元気な男の子が誕生した。

葵「よくやったな咲…。」

藤「頑張りましたね。元気な
  男の子ですよ。」

その声を聞いたあと私の意識は
薄れていった。

起きたらお昼になっていて、
葵も日向葵も葵結もいた。

葵「咲、起きた?あの子の名前
  考えたんだよ。」

そう言って、見せてくれた。

 『咲人(サクト)?』

葵「そう、咲人。」

 『咲人?いい名前だね。』

葵「日向葵と葵結には俺の名前が
  ついているから今度は咲の名前を
  つけようとずっと思っていたんだ。」

 『へぇ。』

葵「変かな?」

 『ううん、いいと思う。』

この日次男は進藤 咲人に
決定した。