「おっはよ~」
 
 寝ぐせでぐちゃぐちゃの髪をさわる

 「いったっ!なにこれ!!?」

 手に刺さったのは安全ピン 

 「なんだ~安全ピンかぁ…………
 
 って安全ピン!!?」

 ひとさしゆびにバッチリささった安全ピン。

 ちょっと血がでている。

 「姉貴うるさい。ん?血でてる」

 部屋から出てくるなり、ペロリと血をなめる男子。

 コイツは私の弟の山下直行

 たいそう天才で15才のくせに高校通ってる。

 それもあの有名な大橋学園。

 背の高さとさわやかな顔立ちでかなり
モテるらしい。

 「姉貴大丈夫なの?オレ姉貴が痛がってるの見たくないんだけど。」

 そしてスッゴいシスコン。

 姉の私が言うのもおかしいけど。

 「ちょっとはやいけど、はい姉貴、
入学おめでと。」

 私の手のひらにキレイにラッピングされた箱を乗せる直行。

 そう、今日は高校の入学式なのです!