「去年そうだったんですけど、誕生日に一人って以外と辛くて……だめですか?」


寂しそうにそう言う空ちゃんに、だめだなんて言えるはずもなくて…。


「ううん、わかった」


そう言うと、空ちゃんはいつもより明るく笑った。


そう見えたのは、いつもは柔らかく笑うのに、空ちゃんの口から八重歯が覗いたからかもしれない。



「空ちゃん、両方に八重歯あるんだね」


「あ、そうなんです!」


そんな話から、俺たちは結局空ちゃんの家でのんびりと過ごした。