「水…」


空ちゃんの声に、俺はキッチンでコップに水をくんで、空ちゃんの体をゆっくり起こした。


「飲める?」

「…うん」


今までずっと“はい”だったのに、無意識の“うん”に少し嬉しくなる。


まだ二回しか会っていないけれど、いつもの空ちゃんより、なんだか甘い。


「ありがとう…」


今ここにいるのが俺だとわかっているのか、それすらもわからないけれど。


もう一度ゆっくり体を倒すと、空ちゃんに手を握られた。


驚いて、見ると空ちゃんはもう寝息をたてていた。