「いい子」


空太は子供をあやすようにそう言って、頭にぽんっと手を下ろした。


空は子供じゃない。


そう思いながらも、なにも言わずに空太を見る。


いつもは見上げている空太の顔が、すぐ目の前にある。


言っちゃいけない。


そう思ってはいるのに、もっと触れてほしいと感じてしまう。