「空は大丈夫。あのとき空太に会うためにお化粧してたから、すっぴんだと気づかないのかもね?」


なんて、明らかに俺を励まそうとしてくれているのがわかる。


俺が落ち込んでいると思ったんだろう。



「空、空太と会えなくても頑張るよ。」

「うん、俺も。…じゃあ、おやすみ」


いつもの言葉で電話を切ろうとすると、ギリギリのところで「空太っ!」と名前を呼ばれた。


「ん?」

「あの…」

言いにくそうな空の言葉をじっと待った。