そう言って笑った空ちゃんの目が少し切なそうに見えたのは、気のせいだろうか。 小さな道を抜けて大通りに出ると、街の光が俺たちを照らした。 「…」 なにも話さず、沈黙のまま歩くけれど、そんなに嫌でもない。 さらに大通りを抜けて、静かな住宅街になった。 「ここです」 「ん。…じゃあ、おやすみ」 「あ、少しだけでもどうぞ。寒かったでしょうし」