「じゃあ、お願いします」 「うん」 俺は、空ちゃんの名前が書かれた紙を持って立ち上がった。 外に出ると、さすがに冷え込んでて、今にも雪が降りそうなくらいだった。 「寒いね」 「寒いですね」 マフラーに顔を埋めた空ちゃんが、空を見上げる。 「雪、降らないかなぁ」 そうポツリと呟いて、白い息を吐く。 「冬、好きなの?」 「大好きです。ちっちゃい頃から外でばっかり遊んでたんです」