流星は救急車で運ばれた。
麻由はあれから戻ってこなかった。
その後竜也も来た。
俺らは授業に出ろと言われ教室に戻された。
先生はバカか。
流星が心配で気になるのに授業なんかに集中できるわけがない。
「おい、晴。どーせ、集中できねんだろ。屋上いくぞ。」
竜也はそう言って俺を連れ出してくれた。
屋上に出ると、青空が広がっていた。
「晴。何があったんだよ。」
「俺、お前に流星のこと守るって約束したのによ、傷つけてしまった。」
「麻由ちゃんか?」
「流星のシューズが。ボロボロになってた。」
「それは麻由ちゃんがやったのか?」
「多分。あいつ、俺と目合ったら逃げて行って、それっきり。」
「はぁ…。あぁ、流星ちゃんから聞いてないだろ。流星ちゃん、喘息持ちなんだよ。中学校の頃も何回か発作起こしてた。」
「そうか。俺守ってやれなかったな。」
「起こってしまったものはしょうがないだろ?今からの解決策を探せよ。もう傷つけないようにどうすればいいか考えろ。」
「おう。けど、最近流星俺のこと避けてた。」
「麻由ちゃんに何か言われたりしてねえの?」
「わかんねえ。けど、1つ思い当たることがあんだよ。麻由に聞いても流星に聞いても何も言ってくんなかった。竜也と竜也の彼女が一緒に帰った日あったろ?その日、麻由と流星が俺のバイト先来て、遊んだんだよ。」
「2人で?」
「おん。そしたら、1時間くらい経った時に、流星が何も言わずに飛び出してった。俺の勘違いかもしんねーけど、流星泣いてた。」
「そっか。それも含めてお前流星ちゃんとも話すべきじゃねーの?」
「そうだな。まずは、流星に謝んねえと。」
「流星ちゃんが傷ついたら、希だって傷つくんだから、次傷つたら知らねえからな?」
「おう、ごめんな。」
「授業出ねえだろ?」
「おん。」
「なら、俺は昼は希と食べるから。」
「わかった。」