1時間目は、嫌いなやつの授業で受けるのだるくて、屋上で過ごそうと思った。
そして、行ったら泣いてた。流星が。
流星を好きになったのは、高1の冬くらい。
麻由と竜也の彼女と流星がいるのを見かけて、一目惚れした。
自然で飾らなくて、笑顔がちょー可愛くて、引き込まれるような、そんな人。
そんなやつが…俺の目の前で泣いてて、空を見上げてた。そこには雨上がりで綺麗に彩ってる虹があった。
虹は、人を素直にさせてくれる。小さい頃に姉ちゃんが教えてくれた魔法。
俺がいじめられて泣いてる時にそう教えてくれた。
そして、俺は、声をかけた。
それから、俺は流星の話を聞いた。
笑顔の奥にこんな辛いことがあるなんて思ってもみなかった。
もっと、守りたくなった。好きになった。
そう感じた時間だった。
1時間目も終わり、俺は屋上を後にした。