「あぁ…あなたが麻由の。」
「俺はお前のこと知ってんぞ?宮野流星。」
「なんで、知ってるんですか?」
「そりゃ、麻由と仲良くしてもらってんだから、知ってて当然だろ。」
「まあ、そうですよね、何言ってんだろ私。」
「それより大丈夫?泣いてたみたいだけど。」
「見られちゃいました…?できれば、見なかったことにしてください。あと、麻由にも言わないでいただければ嬉しいです。」
「麻由には言わねえから俺に教えて?」
「え…?」
「あ、いあ、その、泣いてる奴がいんのにほっとけねえだろ?」
「晴くんは…優しいんですね。」
「晴でいい。あと、そんな敬語で喋んな。」
「あ、うん。ありがとう。」
それから私は全てを晴に話した。
晴は、私が話してる間、震えてるのを見て、背中をさすってくれた。
話し終わると、晴は私の頭を撫でてくれた。
「1人で苦しんで今まで辛かったな。よく頑張ったな。もう頑張らなくていい。」
「ウッッ…グスッ…でも辛いのは私じゃない。1番辛いのはお母さんのはずなのに…。私が弱かったら、お母さんはもっと辛い思いしなきゃいけなくなる。」
「俺が話はいつでも聞いてやる。携帯貸せ。」
「え…?」
晴は私のブレーザーのポケットから携帯を取り出して触り始めた。
「ちょ、なにしてるの??」
「ほい。俺の番号。辛かったらいつでも話聞いてやっから。いつでも飛んできてやっから。」
「あ、ありがとう…。でも申し訳ないよ。」
「俺が助けたいだけ。」
「晴は…やっぱり優しいね?ありがとう。」
「おう。1時間目は受けねえんだろ?俺もここにいていいか?迷惑じゃなければ。」
「そんな、迷惑だなんて。大丈夫だよ。」
「さんきゅ。俺少し寝てーからさ?チャイムなったら起こして。」
そして、私と晴は消えてく虹を寂しそうに見つめた。