入学式から5年。聖夜は、去年交通事故でなくなってしまった。

聖魔も詩穂もすっかり大きくなった。

聖魔も詩穂も珍しく考え込んでいる。

私は、二人に「なんか悩みごと?」
と聞くと、二人は一声に声を合わせて
聖魔、詩穂「「告白されたから返事考えてる。」」

私は、昔の血が騒いではしゃぎながら、「誰?」って聞いてしまった。

聖魔「お、俺は、沙麻紗(さあしゃ)ちゃん。」

沙麻紗ちゃんってあの学校中のアイドルちゃんじゃん。

詩穂「う、うちは、大河(たいが)君。」

こっちも学校の王子君じゃん。
大変だこりゃ。

私「二人は沙麻紗ちゃんと、大河君が好き?」

聖魔、詩穂「「もちろん」」

うー。こんな時までハモるな!

私「じゃあ、答えは出てるじゃん。」

聖魔、詩穂「「でも、みんなになんて言われるか。いじめられないかな。」」

私「いじめられるのが怖いのよね。
そりゃそうだよ!誰だって。母さんもいじめられてたことあった。」

聖魔、詩穂「「母さんも。」」

私「うん。人気者だったの。だけど、『いじめられて死ぬなんてありえない』なんて、言っちゃって。みんなの恨みを買った。中学校は全然行けなかったけど、その時に、父さんと合ったの。私は、父さんに助けられた。あなた達は、私みたいな考えは持っていない。純粋な子たち。きっと何も言われないわ。いじめられもしないはずよ。大丈夫!たとえいじめられたとしても、誰かが助けてくれるわ。自分の行きたい道へ進みなさい。」

聖魔、詩穂「「ありがと。答えでた。」」

私「ちゃんと、返事するのよ!
あとで結果教えてね。」

あの子達も、私と聖夜みたいにひとり立ちするときがくる。運命の人を見つけるときが今なのかもしれない。