「正しくありません」


「ふーん」


 どうしたものか、と小林が天井に目をやる。


 守が"死ね"と言った証拠などない。


 でも、言っていない証拠だってない。


 真面目でおとなしかった人が実は犯人だったなんて、漫画や小説の世界ではよくある。


 現実をそれと一緒にしてはいけないのかもしれないが、だからこそ小林も迷っているのだろう。


 ____守が言うわけない。


 小林、担任のくせにそんなこともわからないのかよ。