「え……、何言ってんだ!」 「だって怖いよ。今逃げたら見つからないと思うし」 守が上目遣いで見つめてくる。 「さすがに窓からは逃げないよ。普通に昇降口から出て家に帰る」 「でも、小林が家まで追ってきたら……」 「ママ専業主婦だからさ、ずっと家にいるんだよ。いつもうっとおしかったけど、初めてよかったと思ったよ」 ダメだ……! 守を逃しちゃダメだ……!