「落ち着け! ここ三階。落ちたら死ぬかもしれない」


 守もここから落ちては無事ではすまないとわかっているのだろう。


 素直に窓から離れた。


 それでも、もしものことがあっては困るので、真人は窓際に立つ。


「でもどうしよう……。ぼく言ってないのに。ねぇ真人?」


「うん、みんなわかってるって。だから大丈夫。おれもかばうしさ。じゃあ教室戻ろう」


 真人はそう言ってトイレのドアを指差した。


 それでも守は動こうとしない。


「真人……ぼく、卑怯者だと思うけど、





逃げるよ」