「何だよ~」
はじめは茶化すように聞いていた守も、真人が執拗にごまかし続けると怪しいと思い始めたのか真剣な声色になってきた。
「何、何隠してんの」
「何も隠してない!」
隠せば隠すだけ、余計怪しさが増していく。
「まさか……ぼくが山本咲良を殺した、なんてことになってる……」
わけないよねぇ?と続けようとした守の顔が、すぅっと青ざめていくのがわかった。
たぶん真人がひどい顔をしているのだろう。
「嘘でしょ! え、なんで!?」
とたんパニックになった守が、トイレの窓に駆け寄った。
「おい、何してんだよ!」
「だ……だって逃げないと!」