「それで真人は逃げてきたってわけか」


 勝手に解釈した守が話を続ける。


「いや……そういうわけじゃ……」


「じゃあ真人は教室戻るの? えーやだなぁ。ぼく戻りたくないや。ここの窓から逃げちゃおっかな~」


「やっ、それはダメだって……!」


「____え?」


 冗談のノリだったのにあまりに強く否定しすぎて、気まずくなってしまった。


「真人何か隠してる?」


 守はそういうことにはさとい。


「な、何も隠してないって! おれに隠し事とかあると思うかー?」


 ごまかしてみても、わざとらしいのは自分でもわかっている。