守の顔色はかなりよくなっていた。


「大丈夫か?」


 再度そう聞くと、


「うん、大丈夫」


 守はガッツポーズをしてみせる。


「でもさ、今授業中じゃないの?」


「うん、授業中」


「え、じゃあなんで……? もしかしてまた例のヤツ?」


 まさか自分が指名されているとは思っていないだろう守が、のんきに尋ねてくる。


「そ、例のヤツ」


 尋ねられて内心びくりとしたが、真人はなんとか平静を装った。