「今野は黒沢と仲良かったしなぁ」


「今野が呼びに行けよ」


 賛同する声が次々と続いて、小林もこちらを見始める。


 なんとか目を合わせないように努力していたのに、


「今野くん、お願いできるかな」


 名指しで先生に頼まれて、断ることなんて真人にはできない。


 空気も完全に”真人が行く”というようになってしまった。


「……わかりました」


 いやいや立ち上がると、「ありがとう」と小林が笑顔を向けてくる。


 ドアへと歩を進めて岡本クンの横を通ったとき____




「もし黒沢が戻って来なかったら、お前のことも小林に言うからな」