「黒沢くん……?」


 小林も驚いているのだろう、語尾にクエスチョンマークがついている。


「彼で間違いない?」


 驚いているなら守をかばってくれればいいのに、と思うが小林は中立らしい。


「はい、そうです」


 岡本クンの自信ありげな口調に、心底腹が立った。





「そっか。じゃあ今日の授業はやめにして二人の話を聞こう。えっと……黒沢くんはいないのかな?」


 小林のセリフに数人の男子がクスクス笑いを始める。


「黒沢くんはトイレです」


 律儀に答えた委員長に、またクスクス笑いが大きくなった。