教壇に立つ小林、ひとり立つ岡本クン、息をのむ教室。


 昨日と全く同じ構図に眩暈がしてくる。


 そして岡本クンから発せられた言葉も、昨日と同じ。


「まだいますけど、山本咲良を殺した人」


 まだいるのか…もちろんまだいるけど、それをまだ岡本クンの口から聞かなくてはいけないのか。


「誰?」


「中谷です」


 名指しされた子が誰なのか真人には判断する術がなかったが、それはすぐにわかった。


 クラス中の視線が集まる先、そこに彼女は座っているからだ。


 彼女は死んだ北村廉と仲の良かった子、そして今のリーダーを務めているらしい子だった。


 後ろ姿だけでもわかる。


 中谷サンが果てしなく緊張していて、恐怖に怯えていることが。