#1

桜が並ぶ道を友達と歩く。
今日から中学生活最後の1年がはじまるんだ。
最後を締めくくるクラスに胸を踊らせ発表を待つ。
巻かれていた紙が伸びて一斉に人が集まる。
友達と離れ残念がる声、また同じクラスだと聞こえる歓声。
私はと言うと可もなく不可もないクラスだった。

下駄箱に靴を直し、教室に向かう。
友達と話してHRを済ませ、下校した。


このとき、君を好きになるなんて思っても見なかったな。
あれが必然ならもっともっと話しておけばよかったよ。

授業をだらだらきいて、友達と喋って毎日を過ごしてるうちに、修学旅行がやってきた。

「好きな人誰ー?」

ホタルが飛び交う幻想的な空間でこんな質問。

「えーっとね、中元だよー。」

「そー!私ら一緒なんだ!」

「いいよね、リア充はさ。」

「そんなことないよ!
でも、まぁそうかも。」

「うわー。まじなえるわ。」



中元は地味に人気のあるちょっぴりお調子者。

「あ!琉斗じゃん!」

「お、彼氏の登場ですかぁ?」


みんなで琉斗と優李のことをいじる。
楽しい。
ほんっとに楽しい。

「おい、高井。」

そう、この時初めて話したね。


身長が高くて喋ってるとほんと首痛いんだよ。

――痛かったんだよ。