「ねぇ。ちょっとまどかも聞いてるの?
映画化されたらちゃんと見に行ってよねーー?
泣いちゃうわよー。まどか涙腺弱いからー」

たしかに。。。

「うん。初の映画化は目に焼き付けておきますです。お母様ーー!
ねねっ。今はどんな作品書いてるの?」

「ミステリーと恋愛もの。」


ミステリーは母の18番だ。
最近は恋愛ものも書き始めていたことに驚いていた。だけどまた恋愛もの。。?

「今度はどんな恋愛なの?」


「うーーん。そうねーー。簡単に言うと再婚に関する話。」

え???再婚??まさか!!!


「まさか!!!?」

「ちがうちがう。お母様に限って再婚はありえないってまどかが1番理解してるじゃない?こんな生活してて、恋愛なんてしてるわけないってー」


「再婚とか考えたことないの?」


「そりゃーねー。
まどかのこと考えたら、兄弟作ってあげたほうがよかったかなーとか思うけど、でも私には父とまどかしか必要ないからねー」


「お父さんを今でも好きなのって辛くないの?」


「なに?まどかー?もしかして恋愛で悩んでるのーー?
うーんお父さんを忘れることのほうが辛いかな。誰かで上書きなんかされたくない。
だいたいさー、記憶を司ってる脳の容量は限られてるんだから、
まどかとお父さんだけの記憶入れるだけでもういっぱいいっぱいよー。」


。。。
お母さん。。。
小説家だからなのかな。。?

いや。。お母さんの言葉には説得力がある。。
お父さんのこと本当に好きなんだな。

私にもそんな人がこの先現れたりするのだろうか。。。