その後、案内されたのは客間。

先程の部屋は王子の仕事部屋だそうだ。

「お疲れ様です、アリア様。」

「ええ、ありがとうございます。」

この男、

(絶対わかってた!)


最初の意味深な笑みの正体がようやくわかった。

「では、私の方からこれからの生活について説明させていただきます。」


クロウドさんはまた例の笑みを浮かべる。

嫌な予感・・・


「常にルキ様の側にいて、生活を共にする。これだけです。」 


一見簡単そう聞こえるが、

(あんな王子の側にいるだなんて、心臓がいくらあっても足りやしない!)


これからの生活を想像して、ゾッとする。

「根は良いかたなんですよ?というわけで、これからはルキ様のお部屋でお過ごしください。」

「・・・分かりました。」

ため息を必死にこらえ、しぼりだすように了解する。