「大杉…KYって知ってるか?」
「ん?何それ?いやぁ~しかし、お前らがそんな関係だったとはなぁ(笑)」
ニヤニヤしている大杉を見ているとイライラする
「お前さえ来なかったら…俺は水橋さんに…」
「まぁそれは置いといて、二人ともケガは無いようで良かったよ!」
(それは置いといて、だと!?)
大杉を海に突き落としてやろうかとも思ったのだが、ここは大人の対応をとることにした
「で、松岡組はどうなったんだよ?」
「あぁ、お前のお姉さんが警察に証言してくれたんだ。おかげで松岡組は逮捕になるだろう。」
「そうか、姉貴が…。」
水橋さんは大杉と全く話そうとしない…仲が悪いのだろうか
『おーいヒトシ!!見つかったのか!?』
人が人影ぐらいにしか見えない距離…何やら男が大きな声を出しながらこっちに近付いてくる
「親父ー!見つけたぜー!」大杉が男に叫び返す
「親父!?お前のお父さんなのか!?」
「あぁ、俺の親父であり上司でもある。」
大杉のお父さんは俺達の目の前まで歩いてきた。そして最初に水橋さんに話しかけた
「久し振りだね沙貴ちゃん。あんなに小さかったのに…立派に育って…前に会ったのは10年も前になるもんなぁ…おや…君は…。あぁ!!君が月見くんか!?ヒトシから話しは聞いていたよ!!しかし探すのに苦労した…」
大杉の父親の第一印象は、優しそうな人、だった。年齢は40歳いや50歳くらいにも見える。身長は180を軽く超えていて、一言で言えば、白髪まじりの大男だ
「帰ってよ!!ヤク専なんかに話すことなんて何もないわ!!」
今まで静かだった水橋さんの怒声に空気が張り詰める…そして水橋さんは、まるで恨みでもあるかのような目で大杉の父親をにらみつけた
「沙貴ちゃん…すまない…確かに君の父親…水橋竜兵が殺されたのは我々のせいかもしれない。」
「聞きたくない!!帰って!!帰ってよ!!」
「そうはいかない。私には話さなければいけないことがある。君に…知ってもらわなければいけないことがある。」