夕方の6時…太陽が沈み、少し風がキツくなってきた。昼間の暑さと比べると涼しくなったのだが、真夏に変わりはない
俺は自転車に乗り、海にむかっている
潮風を切り裂いて、その潮風の気流に汗を乗せる…汗はしょっぱさを増したかもしれない。
港に着くのはあっという間だった。自転車をとめて辺りを探す
俺は倉庫の前に怪しい車が何台も止まっているのを発見した
(ヤクザの車はわかりやすいな…車体は黒で窓ガラスはスモーク…見事に真っ黒だ…)
倉庫の入り口は開いている…正面から入るしか方法は無い。
(時間稼ぎだ…俺が出来るのはそれだけ!)
俺はゆっくり歩きながら倉庫の中に入る
「………あ。」
中には怖いお兄さん達が倉庫の荷物のように並んでいた…怖すぎて怖すぎて言葉にできない
「誰だ!?こらぁ!?部外者が入っていい場所じゃねぇんだよ!!」
吠えるヤクザ
「うるせぇー!!水橋さんは何処にいるんだよ!!」
吠える月見
「おい…おい…まさか童貞野郎がこんなとこに来るとはなぁ…」
松岡が水橋さんを連れて前に出る。
「水橋さん!?」
「…っ…ふ…っ」
水橋さんはテープで口をふさがれ、手を縄で縛られていた
「松岡!!水橋さんを離せ!!」
「離せ?お前はヒーローで、水橋はお姫様か!?(笑)…気持ち悪い…殺して海に沈めてやるよ…」
松岡が鋭い眼光で俺をにらみつける。黙ってるわけにはいかない俺…
「俺とタイマンはれよ!!俺が負けたら殺すなり海に沈めるなり好きにしろ。お前が負けたら水橋さんは返してもらう…」
「調子に乗りやがって…俺が相手してやるまでもねぇ…おいっ!!出て来い!!マッチェルボ山口!!」