「落ち着けよ大杉!西原は9月だって言ってたじゃないか!」

『いや、西原の情報はデタラメだった…新たに入手した情報はヤク専のもの…間違いはない…』

「まさか!?西原は敵なのか!?」

『いや、それはわからない…あいつが松岡組に騙されていたのか……あいつが俺を騙していたのか…』

「西原に連絡はつかないのかよ!?」

『あぁ携帯はつながらない…消息不明だ』

「そんな…西原が…。いや、今はそれより大事なことがある!!水橋さんは!!水橋さんは何処にいるんだ!?」

『水橋は港にいる…警察に保護されていると思い込んでいたんだが…水橋は何日か前に、松岡組に拉致られてたんだ』

「港?俺の家から5分もかからない場所じゃないか!」

『そうだ。お前の家から5分…ヤク専と警察は水橋の親父の件に気を取られていて、早くても30分はかかる…今、頼れるのはお前だ月見!』

「あぁ…水橋さんは俺が助ける!!」

『最後に一つ、水橋が外国に行った時点で警察は手を出せなくなる…時間稼ぎでもいい…絶対に死ぬなよ』

「死ぬわけねーだろ!お前はいつもみたいに笑ってればいいんだよ!じゃ行ってくる…」

俺は携帯を閉じて水橋さんのいる港にむかう…姉貴は電話の内容について何も聞かず『いってらっしゃい』と言って俺を見送ってくれた