こういう時の嫌な予感は必ず当たる。今まで18年間生きてきたけど外れた試しがない

俺は絶対的な不安を胸に抱きながら家にむかう。

途中、俺は信号の赤に引っ掛かってしまった…止まると一気に汗が吹き出してくる。

夏の太陽が俺の体力を奪い、心の不安が俺の精神力を奪っていく…頭がどうかなりそうだ

信号が変わり再出発。俺は商店街の前を通る…家まで後少し。

(松岡組はいないなぁ。まぁ女子生徒が言っていたのは昼休みぐらいだからな…)

俺は商店街を見回しながら進む。もう家は近い

家の前に着いた俺は自転車を捨てるように降りて玄関まで走る

カバンに手を突っ込み家の鍵を取り出す。ドアの鍵を開けようとしたのだが鍵が開いた感覚がしない

(鍵が…掛かっていない!?鍵は必ず掛かっているはずなのに…)

俺は家のリビングに行き、姉貴の名前を呼んでみる。

「姉貴ー!」

「………。」

「居ない…。」

「一階には誰も居ないみたいだ…姉貴の部屋に行こう。」

俺が勢いよく後ろを振りむいた瞬間…

『ポイ~ン』柔らかい何か(オッパイ)が俺の勢いを弾き返し、俺は2倍の勢いで後頭部をフローリングにぶつける

「あんた何やってんの…」

昇天している俺を、姉貴が冷めた目で見下している。

(そんな…俺の嫌な予感が外れるなんて…。いや、これで良かったんだ)

『♪♪♪♪♪』俺の携帯電話が鳴り出す

「誰だ?えぇっと…大杉!?」

着信表示を見た俺は電話に出ることにした

『月見っ!!大変だ!!俺達は騙されてたんだ!!松岡組が水橋の親父を殺したのも全て警察を欺くための罠だったんだ!!』

「おい…大杉…どういうことだよ?」

「…水橋沙貴の人身売買は…今日、行われる…」