西原のことも気になるのだが、今は水橋さんのことの方が大事なので西原のことは置いておくことにした

「大杉…お前が西原から情報を得ているのは分かった…しかし今、一番大事なことは松岡組が逮捕されないかもしれないということだ。」

「あぁそのことだが…確かに警察は松岡組を後一歩のところまで追い詰めている。」

「お前は知らないと思うが警察に匿名の電話があったんだ…」

(匿名の電話!?姉貴だ…)

電話をしたのは俺の姉貴だということを伝えようとしたが、大杉は俺に話すタイミングを与えずに話しを続けた

「その電話は最初いたずらだと思われたため、警察の出動が遅れたんだ。松岡組はその間に証拠を全て消していた…警察は電話の本人を探そうとしたんだが電話は公衆電話からだったため身元がわからなかったんだ…」

「電話をした本人が名乗り出てくれれば、松岡組を逮捕できるんだが……。」

(俺に話すタイミングが来た!!)

「大杉…それなら安心しな!俺は電話をした本人を知っている!」

「マジかよ!?」

「ほ、本当なの!?月見くん…」

大杉と西原の顔は驚きに満ちていた

「あぁ…マジで本当だ!電話をしたのは…俺の姉貴だ!!」

俺は大杉の喜ぶ顔を想像したのだが…

「ヤバいことになってきたな…」

さっきとは一転して、大杉の表情が曇りはじめた

「どうしたんだよ!?喜べよ!?」

「松岡組は証拠を一切残さない…。早くしないと、お前の姉は確実に消される…」