(確か大杉の父親は警察…また勝手に情報を盗みやがったのか)
黙っている俺を無視して大杉は話しを続ける
「松岡組の人身売買は阻止することができるかもしれない。しかし一つ手遅れなことがある…水橋の親父が死んだことだ…」
「………。」
俺は大杉に背をむけたまま黙っていた
「今、松岡組は警察に取り調べを受けているんだが…たぶん逮捕にはならないだろう…」
「えっ!?」
俺は大杉のいる方に振り向く
「逮捕にならなければ松岡組は水橋を売り飛ばすことにするだろうな…」
「待てよ…警察は人身売買のこと知ってるんだろ?だったら…」
「いいや…警察は何も知らない…」
「松岡組の情報は全てお前の父親から盗み取りしてたんじゃねぇのかよ!?」
「はぁ?そんなわけねぇだろ?確かに俺の親父は警察だが、情報を外に漏らすようなことはしないし、家にも帰ってこない…」
「じゃあどうやって松岡組の情報を調べてんだよ!?」
「コイツだよ。コイツは松岡組のスパイなんだ。」
大杉は西原を改めて俺に紹介した
「お、おい…冗談だろ?西原が松岡組!?」
「あぁそうだ。しかも西原は松岡組が率いる四天王のうちの一人、What's西原だ。」
「つ、月見くん、黙っててごめんね。」
西原がニヤニヤしながら俺に話しかけてくる
『What's』と言いたいのは俺の方だった