「久し振りだね…月見くん」

西原の存在は余りにも異質だった。周りの生徒は『あの西原が来た』と騒いでいる始末

「あ、あぁ…久し振りだな…」

「………。」

(何なんだよコイツ…)

「俺に何か用があるんだろ?」

「屋上…」

「はぁ!?」

「屋上で待ってる!」

西原はそれを言うと、走って俺の前から去って行った

そして俺はクラスメート達から浴びせられる冷たい視線をかい潜り屋上へ向かった

(今日から俺は西原キャラだ…クラスのみんなに西原と同じ珍獣を見る目で見られるんだ…)

俺は半泣きで屋上への扉を開けた

そこには珍獣が一匹と…

「よっ(笑)元気してた?(笑)」

大杉が一人…

「何だよ…大杉か…お前が西原使って俺を呼び出したのか…」

「何!?怒ってんの!?怒るなって!(笑)」

「俺帰るからな…」

俺はあからさまに機嫌が悪いといった態度を示し、出口に向かう

「待てよ月見っ!!お前知ってるんだろ…」

自然と俺の足が止まる

「水橋が外国に売り飛ばされるってこと…」

頭がボーっとする…

太陽が照り付ける屋上で、俺は夏の暑さを忘れていた