確かに…男、二人で新宿2丁目に行くのは何かと勘違いされやすいのだろう…

その結果、タクシーの中は気まずい雰囲気に包まれていた…

(俺が何とかしなければ…)

「な、なぁ…福田、新宿2丁目ってどんなところなんだ?」

俺は福田に質問した…

「あぁ、お客さん初めてかい!?」

すると、何故かタクシーのオッサンが喋りだした。

「新宿2丁目ってのは靖国通りと新宿通りの間にある町でねぇ…」

(いや…オメェーに聞いてねーよ…)

俺は隣りに座っている自称、情報屋の顔を見てみた。

福田の顔は開いた口がふさがらず、このオッサン信じられねー!!と表情で語っている。

「お客さん、2丁目に何しに行くの?」

「い、いや…ただの観光ですよ。」

「まぁ2丁目はいいところだよ。」

「何て言うか昭和と平成が混じり合ったような街で…」

「ついでに男と女も混じり合って区別がつかなくなっちゃった…みたいな…感じよ♪」

(もうええから!!!!)

(ん!?…タクシーのオッサンの喋りかたが女っぽくなってるような…)

「もうすぐ着くわよ~」

ついにタクシーのオッサンは声色まで変わっていた

「あの…運転手さん…もしかして…ゲイですか?」

福田が小声で『それは聞いちゃダメです。』と俺に言った…時すでに遅し…

「そうよ~♪タクシーどんだけ~♪」


「ヒ、ヒィィィィィ!!!!」

俺は怯えるよう叫び…

福田は豪快にアゴを外していた…