「別に城下に行きたいわけじゃないの。アランと二人だったら、少しの時間でも、どこだっていいのに」


アランが忙しいのはわかるけど、少しくらいなら、時間はあるのに。


きっと、二人きりになるのを避けてるんだ。



避けられるのは、悲しい・・・

それは、痛いほど分かってる。



「仕方ないよね、アランは私なんか、気にしてないんだもん」



「っ、そんなこと!」



ファル様は、紅茶を飲み干すと、寂しげに笑顔を浮かべ、部屋を後にした。