「美穂から連絡きた?」



え?美穂?
そういえば…もう約束の時間になるのに美穂の姿はどこにもない。



約束だけは絶対に守る美穂。破ったことなんか一度だってない…



「ちょっと電話してみる!」


少し不安になったあたしは電話帳から【美穂】を表示して通話ボタンを押した。



『もっしー?楽しんでる?』


3コールくらい鳴った後、そんな声が聞こえてきてあたしは思わず「はぁ~!?」と溜め息を交えながらそう言った。



『気をきかせてあげたんでしょ?そういうわけであたしは行かないから。』



そう言い終わった瞬間プツリと音がしてプープー‥と機械音だけが寂しく響いていた。