「ひなたが隼人を好きだなんて…なんか意外(笑)」


「…えへへ」



その日の放課後、誰もいない教室に残って美穂と内緒話をしていた。



話題はもちろん王子のこと。



本当は王子と帰りたかったんだけど、放課後のチャイムと共に女子に囲まれてどこかに行ってしまった。



まだ1日も経ってないのにすごい人気だ。



「隼人は単なるサッカー馬鹿だよ?そのうち分かると思うけど。」



その話を聞いてサッカーをしている王子を想像しながら懸命にボールを追いかける姿にドキドキした。



「ひなた帰るよ」


呆れた表情を見せて美穂はそう言った。あたしは気にすることなく返事をする。


「ほーい♪」



机の横にあった鞄を持ち、シンと静まる教室を後にした。