その日はずっとドキドキしてた。
目線を上げればすぐ斜め横に王子がいて、はちみつ色の髪が風になびく度にあたしはドキドキした。



「きゃ~//」


「大澤!!」


「すいませーん…」



静かな教室が一瞬にして騒がしくなる。
ふと王子を見るとクスクス笑っていてなんだか急に恥かしくなった。



王子が見てる…



たったそれだけのことであたしの顔はリンゴみたいに赤くなるんだ。



まるで初めて恋をする女の子みたいに。



こんなどうしようもないことで赤くなるなんて…
これからどうなっちゃうんだろう。



でも悪い気はしない。



だってあたしは王子のことが大好きなんだもん。