「美穂いいなぁ―…」



小さい頃からの王子を知ってるだなんて羨ましすぎる。


「また聞きたいことあったらいつでも聞いて。」


「ありがとっ!」



それからしばらくしてあたしと美穂は帰り際、詩織里さんに軽く挨拶をしてお店をあとにした。



「じゃあまたね。」


「ばーいばい」


美穂と別れてあたしは駅へ向かう。


改札を通り周りを見渡してみると、


夕暮れ時ということもあって仕事帰りのサラリーマンや高校生で賑わっていた。



「ひなたちゃーん!」


駅の時刻表を見ていると聞き覚えのある声と見覚えのある王子の顔が目に入った。


手を振りながらあたしの元へ駆け寄ってくる王子。