「体調はどうだ?お前熱あったんだぞ」




まるでそんな事気にしないみたいに、何でもないみたいに話しかけて来るキョウヤ。





私の頭の中はパニック状態だというのに…






「おい、喋れるか?ノド痛いのか?」





いや、確かにノドは少し痛い。それはそうなんだけど…私が喋れないのはこの状況にしこたま驚いてるからであって…


決してノドが痛すぎて喋れないわけではない。





「…ナオ」




私の名前を呼ぶキョウヤの声。





それを聞いた瞬間、






「……はい」





さっきまでの黙りが嘘のようにスムーズにノドの奥から自然と声が出てきた。