どのくらいそうしていたか分からない。




もしかしたら一瞬だったかもしれないし、それは凄く長い時間だったのかもしれない。




まるで自分だけ世界から切り離されたような…そんな感覚がした。





そんな状態の私を呼び戻したのは、バシャバシャバシャッと大きく響いた水音。





「ナオッ!!!」





道路に響く声、何度も聞いたその心地の良い声…





そこに居たのはいつもの綺麗なスーツをビショ濡れにし息を切らした、まるで見たこともないほど焦った様子のキョウヤの姿だった。