「おはよう」


女子校に通う私は、残念ながら、蒼士と学校に行くことも、帰ることもできない。

時間の都合もあり、なにより、私には双子の妹がいて、その子が蒼士と付き合っている、ということになっているからだ。



ある日、私と蒼士が一緒にいるのを見たであろう、クラスメイトが、必死に食らいつき、そこからわらわらと一気に野次馬が群がった。


だから、親戚だ、と言っても信じて貰えそうにないので、双子の妹、と説明した。



「おはよう!」



ああ、また、平凡な学校生活が始まる。