「虎ー、うちらとも遊んでよー!」
「そうだよ〜!市口さんばっかりズルい」
「また今度なって言ったくせに」
どこで聞いてたのか、クラスでも目立つ派手な女子3人があっという間に虎ちゃんの周りを取り囲んだ。
朝からバッチリメイクで、髪の毛も綺麗に巻いている彼女たち。
いったい何時に起きてるんですか?って聞きたくなるほど、オシャレに抜かりがなくて尊敬する。
オシャレに制服を着崩して、みんなそれぞれすごく可愛い。
ただ、少し目付きが怖いのだけは勘弁して欲しいんだけど。
「うーん、今日は咲彩と2人でいたい気分なんだよな。だから、ごめん」
悪びれもなく謝る虎ちゃん。
そう言った瞬間、派手な女子3人から冷たい視線が降り注いだような気がした。
こ、怖い。
苦手なんだよねー、この空気。
虎ちゃんも虎ちゃんでしれっとそんなことを言うから、結局は一緒に出かける私が悪者みたいになっちゃうんだ。