今も。


武富君が来たっていうだけで鼓動が何倍にも跳ね上がった。


話せたらもっと幸せなんだろうけど、話すきっかけがなければ自分から声をかけるのはムリだ。


なんとも思っていない人だったら、簡単に声をかけられるのに。


好きな人に対して積極的になれないなんて、この臆病な性格をどうにかしたいよ。


それにあんまりジロジロ見てたら、いつか虎ちゃんに気持ちを悟られちゃいそうで不安。


バカっぽく見えて、意外と人のことを見てるもんね。


虎ちゃんに知られたら、からかわれてバカにされるのが目に見えてるから絶対にバレちゃダメなの。



大事に育てて来た大切な想いだから、親友の蘭以外には誰にも言ってない。



毎日新たな武富君の顔を見るたびに好きが募って行く。


大きく大きく膨らんだこの気持ちは、いつか伝えることが出来るのかな。


好きで好きで今にも溢れ出しそうだけど、告白する勇気なんて皆無。



胸にくすぶるこの気持ちを、どうすればいいのかわからない。



毎日毎日、私の頭の中は武富くんのことばかり。


……好き、だよ。


って言ったら、武富君はどんな顔をするかな。