みんなが綺麗に声を揃えて私に言った。


一瞬シーンと静まり返ったあと、どこからともなくクスクスと笑いが漏れ出す始末。



えっ!?



「私、何か変なことしましたか?」



笑われる理由がわからないんですけど。


私が聞いても、口元に手を当ててクスクス笑っている先輩や後輩たち。


そんな中でも、織田さんだけは笑っていなかった。


ポカンとして、私を見てたんだ。



「市口さんってホントウケるー!」



「先輩ってガチで天然ですよね」



「私、冗談でやってるのかと思ってました」



いや、めちゃくちゃ真剣にやってたんですけど。


この生地をいかに薄く伸ばしてやろうか奮闘してたんですけど。


そんなに笑うことですかね?


先輩や後輩に笑われて、なんだか少し恥ずかしかった。



「麺棒は先っぽを使うんじゃなくて、寝かせてコロコロさせるんだよ」



みんながクスクス笑う中、織田さんだけが使い方を教えてくれた。



「え?」



寝かせてコロコロ……?


げげっ。


私、立ててトントンしちゃってたー!


うわー!


またやってしまったー。


だからみんな笑ってたんだね。


は、恥ずかしい。