その日の放課後、初めての部活に参加した。
調理部は部員がたったの6人で各学年に2人ずつ。
週1だけのひっそりとした部活だから、和気あいあいとした和やかなムードが漂っている。
軽く自己紹介をしたあと、活動が開始された。
勝手なイメージで大人しくてマジメな女子ばかりだと思っていたけど、3年の先輩は2人とも清楚な感じの美人さんで。
同じ2年生の部員は今までに話したことはないけど、見かけたことのある人だった。
1年生の2人は初々しくて、途中入部の私をみんな歓迎してくれた。
よし、お菓子作りを頑張ろう。
2人1組になって、マドレーヌとクッキーの生地作りを開始。
持って来ていたエプロンをつけると、配られた作り方のプリントに目を通した。
まずは小麦粉と卵と砂糖の量を測るところから始まる。
お菓子作りは分量がキモだっていうし、ここで失敗したら台無しになっちゃう。
よーし、頑張るぞー!
「そんなに力まなくても大丈夫だよ」
ペアの子が気合いを入れる私を見て苦笑した。
彼女は同じ2年生の織田(おりた)さん。
クールビューティーって感じで笑わなさそうに見えたのに、笑うんだ?
サバサバして冷たい人なのかと思ったけど、イメージは一瞬で覆った。