「蘭のためなら何だってするからね」
困ってたら助けるし、泣いてたら胸をかすよ。
「うん。あたしも咲彩のためなら何だってするよ。武富君とのことで協力して欲しいことがあったら言ってね」
「蘭〜!ありがとう」
私たちは通学路にも関わらず抱き締め合った。
私が男だったら、絶対に蘭を好きになるのに。
絶対に泣かせない自信もある。
顔を見合わせて笑い合ったあと、私たちはまた通学路を歩き出した。
「そういえば今日からだっけ?」
「んー?何が?」
「咲彩、調理部に入ったんだよね?」
「あ、そうそう!今日からだよー!」
すっかり忘れてたけど、私はついこの間調理部に入ったばかり。
甘いものが好きな武富君のために、お菓子作りをしてみたいなって思ったのがきっかけ。