「うー、寝不足だぁ」



次の日。


シャム猫ホームズを読んでたら止まらなくなって、夜中の2時まで読みふけてしまった。


おかげで今朝は体が重い。



「もう、咲彩遅いよー!」



「ごめーん!」



ダッシュしたけど待ち合わせに遅れてしまい、ご立腹な様子の蘭。



「そんなに怒ると可愛い顔が台無しだよ?ほら、行こっ」



蘭の腕を取って歩き出す。


長年の付き合いだから、こんな時の対処法はバッチリ把握している。



「咲彩ってば、調子良いんだからー!」



褒められて悪い気はしないのか、蘭の機嫌はすぐに元通り。



「それよりさぁ、聞いてよ。良いことがあったんだ」



「良いことー?なになに?」



蘭が目を輝かせながら私を見る。