なんとなくモヤモヤしたまま、早速クッキー作りを開始。


ダメ出しを受けながらも、なんとかクッキーが完成した頃にはヘトヘトになっていた。


マーブル模様作るの難しすぎるよ。


ココア生地とプレーン生地を混ぜすぎて、マーブル模様が出来るどころか色が混ざってしまうだけになった。


お菓子作りは、やっぱり繊細な技術が必要なんだ。


織田さんを見ると、綺麗なマーブル模様が出来ていてダメージはさらに倍になった。


はぁ。



「あとは片付けだけだから、市口さんは座ってていいよ」



ヘトヘトになった私を見て織田さんが苦笑する。


だけどやっぱり、織田さんはいつもと違って元気がなかった。



「ううん、手伝うよ」



「大丈夫だから、ほら。座ってて!クッキーが焼けたら、紅茶でも淹れてちょっと休もっか」



背中を押されて、リビングのソファーに座らされる。


そして織田さんはキッチンの方へ戻って行った。