呆れて物も言えないんだけど。
「冗談だろ、そんな目で見るなっつーの」
「そういう下らないミッション系は嫌だからね」
「わかったって。次はマジメに言うから」
本当に?
信じられなくて、ついつい疑いの目を向けてしまう。
すると、さっきまで笑っていた虎ちゃんはみるみるうちに真剣な顔になった。
体を私の方に向けて、男らしい大きな手を私に向かって伸ばす。
な、なに……?
真剣な瞳から目が離せない。
その手が私の頬に触れた時、胸の奥が……ほんの少しだけ熱くなった。
「あいつに告白しろ」
「え……?」
「嫌とか言うなよ。バツゲームだからな」
「…………」
虎ちゃんのまっすぐな目を見ていられなくなって軽くうつむく。
何も言い返せなかったのは、どう返事すればいいのかわからなかったから。
頬に感じる虎ちゃんの手の温もりを、ただじっと感じていた。