言葉を遮るかの様に男の人はそう言い放った
「いくらお前ん家のセキュリティが無事でも、家の外はどうなんだ?外出したらお前の安全は保証出来かねない。いいな?」
ギロっと睨まれて私は『はい』としか言いようがなかった
「…分かりました。1ヶ月お世話になります。」
頭を下げそう言った
「うむ。それなら早速今日からにしようか。」
「え?」
驚いて顔をあげた
「家に連絡しないと…」
「あぁ、そのことか。そのことならもう了承済みだ。だろ?優里。」
「はい。」
優里と呼ばれた男の人は少し嫌な顔をして頷いた
「自己紹介がまだだったな。わしは、竜 冬紀(タツ フユキ)。呼び方はなんでもいい。」
「は…はい。」
冬紀さん、か。
確かに冬って感じがする
「…俺は優里だ。優里ってよぶんじゃねぇぞ。」
「えっと…」
優里って呼んではいけないんだったらなんて呼べばいいのだろう
悩んでいたら隣で純林くんが小さく笑っていた
「若、そうしたら餡子ちゃんが呼べませんっすよ。」
「……っち。優って呼べ。いいな?」
「優…さん、でいいですか?」
「あぁ。」
ぷいっと優さんはそっぽ向いた