「君ってもしかして待屋 昌(マチヤ マサ)の娘だったりする?」



「は、はい。」



待屋昌っていうのは、お父様の名前



「君も料理出来るの?」



「ま、まぁ、それなりに出来ます。」



「今度、僕に何か作ってね。」



「え?料理…ですか?」



「うん。僕ね、あの方の料理が好きなんだ。だから、君も同じ味が作れるんじゃないかなって。」



お父様と同じ味?



そもそも私、お父様の料理って食べた事あったかな…?



私が答えられないでいると横から純林くんが助け舟を出してくれた



「港さん、こんなところで立ち話もなんですから…」



「あ、そうだね。ごめんごめん。君たちの行く手を邪魔して。僕はそろそろ行こうかな。またね、純林。それに、餡子ちゃんも。」



港さんは私たちのそばを通って家から出てった



「ふぅ…。大丈夫っすか?」



「…う、うん…」